2014年3月13日木曜日

駄目ギター その2「ギブソン20/20ベース」

我ながら「駄目ギター」は酷い言葉だったと反省している。
 がんばって真面目に考えてがんばって作られた物に対して、赤の他人から「駄目」だなんて言われたら、自分なら落ち込むし、何なら激怒するかもしれない。
 もう少しましな言い方は無かったのか。
 変えるなら今か。変えないけど。

 今回紹介する愛すべき駄目ギターは、ギブソンの20/20ベース。

That's '80s
ギターじゃなくてベースかよ、と思われるかもしれませんが、何の問題も無いことを説明します。

 そもそも、フェンダー社が1951年にエレクトリック・ベース・ギターを発売したところからエレクトリック・ベース・ギターの歴史は始まります。
 それ以前のベースとは、コントラバスのことでした。大きくて運ぶのが大変な楽器。

このくらい大きい
写真はエスペランサ・スポルディングさん
それを、板状ボディにネックをボルトで留め、太めの金属弦を張ることで、小型化に大成功。しかもフレットまで打ち込んでしまい、演奏法もかなり容易にしてしまいました。レオ・フェンダー凄い、というお話。

エスペランサさんが弾いてるのがエレクトリック・ベース
横に置いてあるコントラバスとのサイズの違いは一目瞭然
ベースの音域が出るギター、ということで、エレクトリック・ベース・ギターと呼ばれることもありますが、一般的にはベースで通じます。

 ベースの音域が出るギターだから、その中に駄目だと思うのがあったら、駄目ギターって言っても良いというルールです。

 こういった、説明という建前の言い訳が長くなることは悪いと思ってます。ごめんなさい。

 閑話休題。

ギブソン20/20ベースの話題に戻ります
1987年に発売された、20/20ベース。
 ぼくはパッと見、スタインバーガーっぽいけど、ヘッドがあって、しかもそのヘッドがなんだかかっこわるくて良いな、って印象を持ちました。

 ここでまた話がそれます。
 スタインバーガーについて、できるだけ簡単に説明します。

 ネッド・スタインバーガーによってデザインされた、ヘッド・レスで小ちゃい樹脂製ボディのギターがスタインバーガー。1980年に発売されました。ちなみに、木製の廉価版もあります。

これがスタインバーガー
弾いてるのはエドワード・バン・ヘイレンさん
 その後、スタインバーガー社はギブソン社に買収され、ネッド・スタインバーガーさんは、ギブソン社で楽器のデザインをしました。それがこの、20/20。

同じ人がデザインしてるから似ているのは当たり前
筆記体のサインはネッド・スタインバーガーと書いてある
で、この楽器のなにが駄目で好きになっちゃったかというと、ヘッド。

ネックからそのままの太さで延びたヘッド
なんとなく頼りないと感じませんか
 弱そうなヘッド。なんでヘッドレスにしなかったのか。きちんとした理由はあるのかもしれませんが、どんな理由があるにしても、これはかっこわるいと思いました。百歩譲ってかっこわるくないとしても、かっこよくない、という線は譲れない。ごめんなさい。
 似たようなヘッドは、アトランシアやTuneにもあるのですが、そっちは全然かっこわるく感じない不思議。

アトランシア
http://www.atlansia.jp/
TUNE

 ヘッドがかっこわるいというのが、全て。ボディのデザインは好きなの。でも、そんな好きなところが全部、ヘッドのかっこわるさで駄目になってると感じるのです。
 何度も書きますが、なんでヘッドレスにしなかったのか。不思議。

 1980年代のギブソンには駄目ギターが多いのですが、その中でもズバ抜けて駄目だと感じるのが、この20/20ベース。大好き。
 欲しいけど、売ってるのを見たことない。日本国内に何本くらいあるのかな。あるよな。無いってこともあるのかな。使ってる人を見たことない。

B級感
 欲しいなー。

 ネッド・スタインバーガーさんは現在、NS Designという会社で楽器を作ってます。実は先日、そうとは知らずにNS Designのヘッドレス5弦ベースを試奏して、うっかり買いそうになりました。お金が無かったので買えませんでしたが、お金が有ったら買ってた。

NS Design
http://www.nedsteinberger.com/

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