2014年10月13日月曜日

駄目ギター 番外「駄目じゃないギター」

 ぼくが「このギター、駄目だ。かっこいい。」と思ったギターを「駄目ギター」と呼んで好き勝手に紹介しています。ごめんなさい。
 「駄目ギター」という呼び方をされたギターからは「駄目とはなんて言い草だ」と怒られても仕方がないと思っています。ごめんなさい。
 もっと良い呼び方が思いついたら変更します。それまでは「駄目ギター」と呼びます。ごめんなさい。

 今回は、ぼくの中で「駄目ギター」に入りそうで入らないギターを紹介します。

ギブソン・モダーン


 フライングV、エクスプローラーと同時に開発されるも製品化されず、そのオリジナル・モデルが存在するのかしないのか、存在したら尋常じゃない価格がつくであろう伝説中の伝説、レジェンダリー・エレクトリック・ギター。
 伝説は1982年に初めて製品化されて発売するも、人気が出ず。
 近年、ヘッドのデザインを変更して再発されるも、人気が出ず。
 大丈夫だよー!
 まだ運命的な出会いがないだけだってー!
 みんなお前のこと大好きなんだから!
 ザック・ワイルドやビリー・ギボンズやジャームス・ヘッドフィールドだって(たまに)使ってるじゃん!
 お前は駄目じゃないよー!
という感じです。
 1982年製のストリングガイドが付いた扇形のヘッドのタイプが好きです。

ギブソン・モダーン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%96%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%B3

ギブソン・ザ系
 1970年代後半から80年代にかけて、頭に「The」が付くシリーズがありました。
 ぼくが知ってるだけで

・The Paul

・The Paul II

・The Paul Deluxe

・The SG

・The V

があります。
 これらのザ系、なんとなく駄目じゃない感じがして駄目ギターとは思っていない。ザVは普通にかっこいい。普通。

フェンダー・マローダー
 1965年にフェンダー社がCBS社の傘下となり、いままでとはちがう新しいフェンダーを作ったるぜー、とがんばってできた子。
 しかし、結局発売されず。
 ギブソンにもマローダーというモデルがあり、そっちはきちんと発売されてるので駄目さが際立ち、比べてしまうと駄目だと言い切れない。
 2000年くらいにカスタムショップから発売されたのや、2011年に新機種として発売されたのもある。それらは全然駄目じゃない。

フェンダー・マローダー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC

カスタムショップから出たマローダー

2011年に発売されたマローダー

2014年9月25日木曜日

駄目ギター その4「ギブソン・335-S」

 ぼくが「このギター、駄目だ。かっこいい。」と思ったものを「駄目ギター」と呼んで好き勝手に紹介しています。
 駄目なところがかっこいいんです。
 駄目なところが好きなんです。
 駄目じゃないと駄目なんです。

 今回紹介する駄目ギターはギブソンの335-S。
 ソリッドボディのES-335。

ソリッドボディのES-335

 ギブソンのエレキギターの型番に「ES」というのがあります。
 これは「Electric Spanish」の略で、つまり、「電気式スパニッシュギター」という意味。スパニッシュギターというのは、アコースティックギターのこと。空洞ボディであるアコースティックギターにマイクを付けて大きな音を出せるようにしました、という意味の型番。
 ギブソン初のエレクトリックギター、ES-150から連なる由緒ある型番。

 ES-335とは、1958年に発売された「セミ・アコースティック」と呼ばれる種類のギター。アコースティックとソリッドの中間、良いとこ取りした名器。

ES-335
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%96%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%BBES-335

 で、335-S。ES-335のソリッド版。1980年発売。ソリッドボディなので、ESの型番は付かない。デラックス、カスタム、スタンダードの3機種あり、それぞれボディとネックの材が違い、わかりやすい見た目の違いとして、デラックスとカスタムにはコイルタップスイッチとファインチューナー付きテイルピース付き。3年くらいしか作られず。その後もプレミア価格が付くこと無く、現在でもオリジナルモデルは10万円台で買えます。
 数年前に再生産されて、その意味がわからなくて狂喜乱舞したのは良い思い出。

詳しくはこちらのサイトを(英語)
http://www.vintageguitarandbass.com/gibson/335S.php

 スペックを見ると、クロスオーバー/フュージョン系ギタリストの需要を狙ってたのかなー。当時のクロスオーバー/フュージョン系ギタリストでギブソン使ってた人って、レスポールかES-335のイメージ。アレンビックあたりを意識してたのかな。ヤマハのSGとか。実際どうなのかはわからないけど。


アレンビックを使う渡辺香津美さん

ヤマハのSGを使うカルロス・サンタナさん

 なんてこと考えてたら当時のカタログ画像を発見。


向かって左から、カスタム、デラックス、スタンダード
「Now it's on a solid body that rocks.」
「With the hard edged sound and high energy response that have made Gibson solid bodies the choice of so many rock headliners.」
って書いてある。
 つまり、ロック・ギタリスト向けに作ったぜ、ってことみたい。まあ、クロスオーバー/フュージョン系ギタリスト向けにしては装飾が地味だと思ってたけど、そうか、ロックギタリスト向けだったのか。

 1980年頃のロックギタリストの使用ギターといえば

イケイケドンドンだったエドワード・ヴァン・ヘイレンさんは自作ギター

ザ・クラッシュのミック・ジョーンズさんはレスポール

シンリジィを再度辞めたくらいのゲイリー・ムーアさんはレスポール


オジーオズボーンに入ったくらいのランディ・ローズさんはレスポール

エリック・クラプトンさんはフェンダー・ストラトキャスター

クイーンのブライアン・メイさんは自作ギター

 なるほど。

 で、この335-Sのどこが好きかといえば、1980年代が始まり、パンク、レゲエ、クロスオーバー/フュージョン、HR/HMなど様々な音楽ジャンルが広く知られるようになり、楽器メーカーはその時代に合わせた新しい機種を発表して行く中で、ギブソンの「セミアコの名器をソリッドにしたよー」という無邪気な感じ。そして、それが市場に受け入れられずに消えて行った寂しい感じ。これぞ駄目ギター。

2014年5月7日水曜日

自作エフェクター 1 下準備

 数年前から、自作エフェクターを作ろうか、作るまいか、ずっと悩んでいました。

 なぜ悩んでいたかというと、面倒臭いから。やり始めたらいいけど、やり始めるまでが面倒臭そうだったから。面倒臭いのってみんな嫌いだと思うのですが、ぼくも嫌いです。
 工具揃えたり、用語覚えたり、っていうのが、若干面倒臭そうだったので、面倒臭いの嫌なので、悩んでました。楽しそうなんだけどなー、でもちょっと面倒臭いよなー、と。

 そんな感じで数年過ごしてたら、徐々に、少しずつ、自作エフェクターに関する知識が貯まってきまして、面倒臭そうな雰囲気を好奇心が打ち消すくらいの感じになりまして、さらにこのGW、なんの予定も無いことがわかりまして。GWって仕事無いですよね。
 だから、この機会に、この暇を紛らわすために、エフェクターを作ることにしました。

 まず最初にしたのは、参考書の入手。

『ROLLYと作るギターエフェクター』
誠文堂新光社・刊
※誤記があるので注意
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=4142

 他にも何冊かあったのですが、ROLLYさんだったら間違いないだろうと思い、これにしました。この本を熟読し、必要な工具や材料を頭に叩き込み、徹底的に叩き込んでから、工具と材料を買いに行きました。
 もしかしたら1日で終わる買い物だったのかもしれませんが、細かい部品が多い材料に買い忘れがあったり、必要な工具を買い足したりなどして、全部が揃うのに5日かかりました。

 お金は想定していた2.5倍かかりました。想定が1万円だったとしたら2万5千円、2万円だったら5万円ということ。あとは察して。工具をガッツリ揃えたからなー。

2014年4月24日木曜日

駄目ギター その3「ギブソン・カーヴァス」

 ぼくが「このギター、駄目だ。かっこいい。」と思ったものを「駄目ギター」と呼んで紹介しています。
 ねじれた愛情表現です。

 今回もまた、ギブソンの駄目ギター。
 ギブソン、駄目なギターが多くて多くて。そういうところも大好き。
 ギブソン大好き。

 今回紹介するのは、カーヴァス。

オレンジ色が可愛い

 カーヴァス。

灰色はサイバーな雰囲気でかっこいい
1980年代っぽい

 カーヴァス。
 このギターについての詳しいことはウィキペディアに書いてあるので、そちらを読んでください。

ギブソン・カーヴァス
http://ja.wikipedia.org/wiki/ギブソン・カーヴァス

 なんだかよくわかんないボディのデザインが最高。カラスが飛んでる姿とか言われてもピンとこない。かっこいいか、かっこわるいか、どちらか選べと言われたら、かっこいいのかもしれないけど、でも、なんかよくわかんないんだよな、ってモヤモヤした気持ちになる感じ。モヤモヤする感じがいいよね。その感じが気に入ってる。
 当時のギブソンは、どんな気持ちでこのデザインのギターを発売したのか。どんだけ自信満々だったのか。いや、自信は無いけど、でも、なんとかなるかも、とか思って出したのか。いややっぱ、自信満々だったろうな。ギブソンだし。

 カーヴァスを弾いてる女の子がいたら惚れる自信がある。
 大学の軽音楽部に入った初心者の女の子がギターを買うというので先輩のぼくが付いて行き、「ほかの人が使ってないのがいいです」というからカーヴァスを買わせる。その子はカーヴァスでチャットモンチー「シャングリラ」、木村カエラ「リルラリルハ」、ゴーバンズ「あいにきて I NEED YOU!」、ランナウェイズ「チェリー・ボム」、ラモーンズ「電撃バップ」、聖飢魔Ⅱ「ジャック・ザ・リッパー」などを演奏しました。そしてその子はぼくの奥さんになりました。
 こんな妄想できるくらい好き。

 ギブソン、これも再発すればいいのに。
 で、広告に可愛い女の子を起用すれば、そこそこ売れるんじゃないかな。わかんないけど。やっぱり全然売れないかもしれないけど。

2014年3月13日木曜日

駄目ギター その2「ギブソン20/20ベース」

我ながら「駄目ギター」は酷い言葉だったと反省している。
 がんばって真面目に考えてがんばって作られた物に対して、赤の他人から「駄目」だなんて言われたら、自分なら落ち込むし、何なら激怒するかもしれない。
 もう少しましな言い方は無かったのか。
 変えるなら今か。変えないけど。

 今回紹介する愛すべき駄目ギターは、ギブソンの20/20ベース。

That's '80s
ギターじゃなくてベースかよ、と思われるかもしれませんが、何の問題も無いことを説明します。

 そもそも、フェンダー社が1951年にエレクトリック・ベース・ギターを発売したところからエレクトリック・ベース・ギターの歴史は始まります。
 それ以前のベースとは、コントラバスのことでした。大きくて運ぶのが大変な楽器。

このくらい大きい
写真はエスペランサ・スポルディングさん
それを、板状ボディにネックをボルトで留め、太めの金属弦を張ることで、小型化に大成功。しかもフレットまで打ち込んでしまい、演奏法もかなり容易にしてしまいました。レオ・フェンダー凄い、というお話。

エスペランサさんが弾いてるのがエレクトリック・ベース
横に置いてあるコントラバスとのサイズの違いは一目瞭然
ベースの音域が出るギター、ということで、エレクトリック・ベース・ギターと呼ばれることもありますが、一般的にはベースで通じます。

 ベースの音域が出るギターだから、その中に駄目だと思うのがあったら、駄目ギターって言っても良いというルールです。

 こういった、説明という建前の言い訳が長くなることは悪いと思ってます。ごめんなさい。

 閑話休題。

ギブソン20/20ベースの話題に戻ります
1987年に発売された、20/20ベース。
 ぼくはパッと見、スタインバーガーっぽいけど、ヘッドがあって、しかもそのヘッドがなんだかかっこわるくて良いな、って印象を持ちました。

 ここでまた話がそれます。
 スタインバーガーについて、できるだけ簡単に説明します。

 ネッド・スタインバーガーによってデザインされた、ヘッド・レスで小ちゃい樹脂製ボディのギターがスタインバーガー。1980年に発売されました。ちなみに、木製の廉価版もあります。

これがスタインバーガー
弾いてるのはエドワード・バン・ヘイレンさん
 その後、スタインバーガー社はギブソン社に買収され、ネッド・スタインバーガーさんは、ギブソン社で楽器のデザインをしました。それがこの、20/20。

同じ人がデザインしてるから似ているのは当たり前
筆記体のサインはネッド・スタインバーガーと書いてある
で、この楽器のなにが駄目で好きになっちゃったかというと、ヘッド。

ネックからそのままの太さで延びたヘッド
なんとなく頼りないと感じませんか
 弱そうなヘッド。なんでヘッドレスにしなかったのか。きちんとした理由はあるのかもしれませんが、どんな理由があるにしても、これはかっこわるいと思いました。百歩譲ってかっこわるくないとしても、かっこよくない、という線は譲れない。ごめんなさい。
 似たようなヘッドは、アトランシアやTuneにもあるのですが、そっちは全然かっこわるく感じない不思議。

アトランシア
http://www.atlansia.jp/
TUNE

 ヘッドがかっこわるいというのが、全て。ボディのデザインは好きなの。でも、そんな好きなところが全部、ヘッドのかっこわるさで駄目になってると感じるのです。
 何度も書きますが、なんでヘッドレスにしなかったのか。不思議。

 1980年代のギブソンには駄目ギターが多いのですが、その中でもズバ抜けて駄目だと感じるのが、この20/20ベース。大好き。
 欲しいけど、売ってるのを見たことない。日本国内に何本くらいあるのかな。あるよな。無いってこともあるのかな。使ってる人を見たことない。

B級感
 欲しいなー。

 ネッド・スタインバーガーさんは現在、NS Designという会社で楽器を作ってます。実は先日、そうとは知らずにNS Designのヘッドレス5弦ベースを試奏して、うっかり買いそうになりました。お金が無かったので買えませんでしたが、お金が有ったら買ってた。

NS Design
http://www.nedsteinberger.com/

2014年1月10日金曜日

駄目ギター その1『ギブソン・逆V』

 ぼくの大好きな駄目ギター。愛すべき駄目ギター。真面目に考えて、真面目に作られたはずなのに、人気が出なくてひっそり消えて行った、駄目ギター。
 エレクトリック・ギター・メーカーの2トップ、ギブソンとフェンダーにも、そんなギターがあります。

 キング・オブ・駄目ギター。
 発売当時、ギブソン狂った…、と全世界のギブソン・ファンを不安にさせたエレクトリック・ギター。
 かっこよくキメッキメに弾きまくる映像が浮かばないギター。
 矢印ギター。
 ハイレグ・ギター。

リバース・フライングV
2007年発売
Reverse Flying V
http://www.gibson.com/jp-jp/Divisions/Gibson%20USA/Guitars/Flying%20V/Reverse%20Flying%20V/

 コリーナ()のフライングVのボディ・デザインを、大胆にリバースしました。30万円くらいで売り出されるも、全く売れず、売値はどんどん下がりまくり、ぼくが見た中で最安は5万円だった。

「コリーナ」とは、ギターの材料となる木材の名前。コリーナ材を使っているので、コリーナと呼ばれている。

普通のフライングV(コリーナ)
Korina Flying V
http://www2.gibson.com/Products/Electric-Guitars/Flying-V/Gibson-Custom/1959-Korina-Flying-V.aspx

普通のフライングV(コリーナじゃない)
Flying V
http://www2.gibson.com/Products/Electric-Guitars/Flying-V/Gibson-USA/Flying-V.aspx

 ギブソン社は1958年、フライングVとフューチュラ(エクスプローラー)という変形ギターを発売しました。ソリッド・ボディの、どんな形にも加工でき、それにネックを付ければギターになる、という長所を最大限に生かした最先端モデル。ところが、最先端過ぎ、時代のはるか先を行き過ぎていたために、全く売れず。
 リアルタイムで使っていたのはアルバート・キングくらいか。キンクスのデイブ・デイビスはその少し後か。

アルバート・キング
ブルース三大キングのひとり
デイブ・デイビス
イギリスの兄弟ロッカーの弟のほう

 その後、1960年代末に、キース・リチャーズやジミ・ヘンドリックスが使ったりで認知されてきて、1970年代のグラム・ロック、HR/HMブームを経て、人気の定番モデルとなりました。

 そんな由緒あるフライングVを、大胆にも逆さにしちゃったのが、リバース・フライングV。逆V。
 1958年の悪夢を、21世紀にも起こしたギター。逆V。萌える。可愛い。
 キング・オブ・駄目ギター・オブ・マイン・イズ・逆V。

 そういえば、LOVE JETSという宇宙人トリオのロックバンドが、ギブソンの逆Vが発売される以前、ESPにオーダーした逆Vを使っていた。あれはかっこよかった。
 何故だ。宇宙人だからか。

LOVE JETS
ベースとドラムで長く活動していたところに
ギターが加入したとの噂
ギターの宇宙人がいなくなった後も
元の2人でたまに活動しているらしい
参考動画

LOVE JETS
http://columbia.jp/~lovejets/

2014年1月9日木曜日

駄目ギター その0『序章』

 駄目ギターとは、ぼくが「このギター、(コンセプトが)駄目だなー、駄目なところが可愛くて好きだなー」と思う楽器本体のことです。それ必要かな?という機能が付いていたり、かっこわるくない?というデザインのギターのこと。愛すべき駄目ギター。駄目ギター大好き。

 エレクトリック・ギターという楽器は「ギターで管楽器や打楽器に負けない大音量を出したい」という要望から産まれました。ビッグバンドジャズが流行っていた20世紀初めのお話。
 最初はアコースティック・ギターに弦振動を拾うマイクが付けられます。(
 第二次世界大戦後、板状のボディが開発され、現在のエレクトリック・ギターという楽器のイメージが出来上がります。この「板状のボディ」、通称「ソリッド・ボディ」が、駄目ギターの大事なポイントです。

一番最初にエレクトリック・ギターとして商品化されたのはアコースティック・ギターではなく、実は、ラップスチール・ギター。リッケンバッカー社から1932年に発売されたフライング・パンがそれ。

 エレクトリック・ギターの基礎知識として、世のエレクトリック・ギターのほとんどはアメリカのギブソン社とフェンダー社の亜流です。これは過言ではありません。

 エレクトリック・ギターを最初のアコースティック・ギター期から作っていたのがギブソン社。ギブソンの歴史は19世紀末に始まります。エレクトリック・ギターを作り始めたのは1936年。

最初期のエレクトリック・ギター、ギブソンES-150
1936年発売
別名チャーリー・クリスチャン・モデル
ギブソン
http://www.gibson.com/jp-jp/home/

 ソリッド(板状)ボディでエレクトリック・ギターに革命を起こしたのがフェンダー社。
 ボディが空洞のアコースティック・ギターにマイクを付けたものには、ハウリングが起きやすいという欠点がありました。その欠点を、空洞を無くした板状のボディにするという発想で解決したのです。
 この発想のギター、ソリッド・ボディーのエレクトリック・ギター、フェンダー社が商品化する前に、ギタリストのレス・ポール氏がギブソン社に提案していました。ところが、ギブソン社はその新しい発想を理解できず、断ってしまいました。その後、フェンダー社の大成功を見て、慌ててレス・ポール氏に連絡をしたという経緯があります。


手前のスティーブ・クロッパーが持っているのが
世界で最初に商品化された板状ボディのエレクトリック・ギターである
フェンダー・テレキャスター
1950年発売
(エスクワイヤー、ブロードキャスターの別称については省略します)
フェンダー
http://www.fender.jp/

 前提長かった。これでもかなり削りましたのよ。
 ここからようやく、ぼくの大好きな駄目ギターの話になります。
 が、好きなものをあれこれ全部書くと、とりとめがなく長くなるので、上記の二大巨頭、ギブソンとフェンダーの駄目ギターにしぼって書きます。
 そして、ここまででもだいぶ長くなったので、分割します。